新設法人リストの作り方・活用ガイド|無料・有料の取得方法から絞り込み・営業アプローチまで解説
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新設法人は、取引先がまだ固まっておらず、事業の立ち上げに必要なサービスを探している企業です。2025年には15万社を超える法人が新たに設立されており、新規開拓のターゲットとして注目を集めています。
一方で、「新設法人リストはどうやって作ればいいのか」「無料のデータでも使えるのか」「リストを作った後、どうアプローチすれば成果につながるのか」と悩む営業担当者も少なくありません。
この記事では、新設法人リストの取得方法を無料・有料に分けて比較し、リストの作り方から絞り込み方、アプローチ手法の選び方、費用対効果の考え方までを解説します。
| この記事はこんな人におすすめです |
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もくじ
- 新設法人リストとは
- なぜ新設法人が営業ターゲットとして有効か
- 新設法人リストの作り方・取得方法
- 新設法人リストの絞り込み方
- アプローチ手法の比較
- 新設法人に響く訴求の設計
- コストシミュレーション
- FutureSearchで新設法人リストを作る
- 導入事例:物流サービス業 G社
- 新設法人リストに関するよくある質問(FAQ)
- まとめ:新設法人リストの作成・活用で新規開拓を効率化する
新設法人リストとは
新設法人リストとは、新たに設立された法人の情報をまとめた営業用のリストです。株式会社や合同会社など、設立から間もない法人を対象に、法人名や所在地、法人番号、設立日などを一覧にしたものを指します。
リストに含まれる情報は、入手方法によって大きく異なります。国税庁が公表する無料のデータでは法人名・所在地・法人番号などの基本情報に限られますが、有料の企業データベースでは、業種や電話番号、お問い合わせフォームの有無など、営業に使える情報まで含まれるのが一般的です。どの情報が必要かによって、選ぶべき入手方法が変わります。
なぜ新設法人が営業ターゲットとして有効か
東京商工リサーチの調査[注1]によると、2025年の新設法人は15万7,011社(前年比1.9%増)で、2008年の統計開始以降で最多となりました。ここでは、新設法人が営業ターゲットとして有効な理由を、「設立直後に生まれるニーズ」と「競合状況」の2つの面から整理します。
設立直後に発生するニーズ一覧
設立直後の企業は、事業を始めるために必要なものを短期間でそろえる必要があります。
主なニーズは次のとおりです。
| 分野 | 設立直後に発生しやすいニーズ |
|---|---|
| バックオフィス | 会計ソフト、給与・労務管理、税理士・社労士などの専門家 |
| ITインフラ | パソコン・通信回線、クラウドサービス、セキュリティ対策 |
| 集客・営業 | Webサイト制作、広告・販促、営業支援ツール |
| 採用・人材 | 求人媒体、人材紹介、採用管理 |
| 資金 | 融資、補助金・助成金の申請支援、決済サービス |
| オフィス・設備 | オフィス・シェアオフィス、複合機、オフィス家具 |
競合状況の実態:母数は増えても、早い者勝ち
新設法人の数は過去最多ですが、新設法人を狙う企業も増えています。設立直後の企業には、同じ時期に複数の会社から提案が届くことが少なくありません。また、バックオフィスやITインフラなどは一度導入すると乗り換えの手間がかかるため、最初に取引を始めた会社がそのまま選ばれ続けやすい傾向があります。 つまり、新設法人は「取引先が固まる前」に接触できれば選ばれやすい一方、その期間は長くありません。設立からできるだけ早くアプローチできる体制を整えることが、新設法人営業の成否を分けます。そのためにも、新設法人を継続的に、漏れなく把握できるリストの作り方が重要になります。
新設法人リストの作り方・取得方法
新設法人リストの取得方法は、大きく「無料の公的データを使って自分で作る方法」と「有料のデータベースやツールで取得する方法」の2つに分かれます。無料の方法はコストがかからない一方、営業に使える形に整えるまでに手間がかかります。有料の方法は費用がかかる代わりに、業種や連絡先などの情報がそろった状態で入手できます。まずは主な取得方法を比較表で確認し、そのうえでそれぞれの使い方と、リストを作成・運用する手順を解説します。
取得方法の比較表
| 取得方法 | 費用 | 情報の深さ | 更新頻度 | 工数 |
|---|---|---|---|---|
| 国税庁 法人番号公表サイト | 無料 | 法人名・所在地・法人番号など基本情報のみ | 日次(差分データ) | 大きい(日次の取得、業種・連絡先の調査が必要) |
| gBizINFO(経済産業省) | 無料 | 基本情報に加え、補助金・調達・表彰・特許など行政保有情報 | 提供元の各データに依存 | 中(業種や連絡先は別途調査) |
| 登記情報提供サービス | 1件あたり約330円 | 登記事項(役員・目的・資本金など) | 登記の都度 | 大きい(1社ずつ取得) |
| リスト販売・DM専門業者 | 数万円〜(件数や条件による) | 業者により異なる | 購入時点のデータ | 小(ただし購入後の更新は自社で行う) |
| リスト作成ツール | 月額制(数万円程度〜) | 業種・連絡先・企業規模など営業向け情報 | ツールにより日次〜月次 | 小(条件検索でそのまま抽出) |
費用をかけずに始めたい場合や、自社でデータを加工できる体制がある場合は、無料の公的データでも十分に活用できます。一方、業種やエリアで継続的に絞り込み、そのままアプローチまで進めたい場合は、リスト作成ツールが効率的です。
無料の公的データで作る
無料で新設法人リストを作るなら、中心になるのは国税庁の「法人番号公表サイト」です。補足的に、経済産業省の「gBizINFO」や法務局の「登記情報提供サービス」を組み合わせる方法もあります。
法人番号公表サイト(国税庁)
法人番号公表サイトでは、「全件データ」と「差分データ」の2種類をダウンロードできます。[注3]全件データは前月末時点のデータのため、最新の新設法人を追うなら、日ごとに更新される差分データを使います。手順は次のとおりです。
- STEP1:法人番号公表サイトの「データダウンロード」ページから、取得したい日付の差分データをダウンロードする
- STEP2:ダウンロードしたファイルをExcelなどの表計算ソフトで開く
- STEP3:「処理区分」を「01(新規)」で絞り込み、新たに法人番号が指定された法人を抽出する
- STEP4:法人種別で株式会社・合同会社などに限定し、所在地で対象エリアに絞り込む
処理区分01には、会社の設立だけでなく、人格のない社団が新たに番号の指定を受けたケースや、新設合併によるケースなども含まれるため、STEP4での絞り込みが欠かせません。なお、画面上の検索で「変更年月日」を指定する方法もありますが、登録内容を変更した既存企業も一緒に表示されるため、新設法人を見分ける作業が別途必要です。
gBizINFO(経済産業省)
gBizINFOは、法人番号をキーに、各府省が保有する法人の活動情報をまとめて検索・閲覧できる無料のサービスです。[注4]基本情報に加えて、補助金の採択や公共調達、表彰、特許などの情報を確認できます。新設法人の抽出元というよりも、法人番号公表サイトで抽出した法人の情報を補う用途に向いています。
登記情報提供サービス(法務局)
登記情報提供サービスでは、法務局に行かずにオンラインで登記情報を確認できます。事業の目的や役員、資本金などがわかるため、重点的に狙いたい企業の詳細を調べる際に役立ちます。ただし1件ごとに料金がかかるため、大量のリスト作成には向きません。
無料の営業リストのメリット・デメリットは、本当に使える?無料営業リストのメリット・デメリットを徹底解説!で詳しく解説しています。
有料のデータベース・ツールで取得する
有料で新設法人リストを入手する方法は、主に次の3種類に分かれます。
| 種類 | 特徴 | 向いているケース |
|---|---|---|
| リスト販売型 | 条件を指定してリストを購入する。 1回ごとの購入が基本 |
単発でまとまった件数が必要な場合 |
| データベース型 | 月額制で企業データベースを検索し、 何度でも抽出できる |
継続的に新設法人を追いたい場合 |
| AI解析型 | 企業サイトなどWeb上の情報をAIで解析し、 事業内容や最新の動きまで収録する |
業種や事業内容で細かく絞り込みたい場合 |
選ぶ際は、次の4点を確認しましょう。
- 新設法人の抽出条件:設立年月日や「新設法人」などの条件で絞り込めるか
- 更新頻度:新設法人がどのくらいの間隔でデータベースに追加されるか
- 収録情報:業種、電話番号、お問い合わせフォームなど、営業に必要な項目があるか
- 法人番号の有無:自社の顧客データと名寄せする際のキーになる法人番号が含まれているか
ツールの分類とおすすめのサービスは、営業リスト作成ツールの分類とおすすめ23選!をご覧ください。
無料データの限界
無料の公的データは費用がかからない反面、営業リストとして使うには次のような限界があります。
- 既存企業が混ざる:画面検索では変更企業も表示され、差分データでも新設以外の番号指定が含まれる
- 業種・連絡先がない:法人番号公表サイトのデータは基本情報のみで、業種での絞り込みや連絡先の調査は手作業になる
- 日次の取得が必要:差分データは日ごとに提供され、さかのぼれるのは過去40日分まで。取得を止めると欠けた日の分を取り直す必要がある
- 名寄せの手間:複数のデータを組み合わせると、同じ法人の重複や表記ゆれを整理する作業が発生する
最近では、生成AIを使って企業情報を集め、リストを自作する方法も広がっています。ただし、AIが生成した情報には誤りが含まれることがあり、実在しない企業や古い情報が混ざるリスクもあります。AIで自作する場合は、法人番号などの一次情報と照合する工程を必ず入れましょう。
AIでのリスト作成の注意点は、AIで営業リスト作成は完結する?自作AIリストの「3つの落とし穴」で解説しています。
リスト作成の手順:取得→整理→名寄せ→更新
どの方法でリストを入手する場合も、営業で使える状態にするには次の4つの工程が必要です。
| 工程 | やること | ポイント |
|---|---|---|
| 取得 | データをダウンロード・抽出する | 新設法人の条件(設立日・法人種別・エリア)を先に決めておく |
| 整理 | 不要な法人を除き、必要な項目をそろえる | 業種・連絡先・担当者などの項目を統一する |
| 名寄せ | 既存顧客や過去のリストとの重複を解消する | 法人番号をキーにすると、表記ゆれがあっても照合しやすい |
| 更新 | 移転・閉鎖・新規追加を反映する | 最低でも3か月に1回は見直す |
新設法人は入れ替わりが激しく、2025年は倒産が1万300社、休廃業・解散が6万7,210社と、いずれも増加しています。一度作ったリストもすぐに古くなるため、更新の工程まで含めて運用を設計しておくことが大切です。
新設法人リストの絞り込み方
新設法人リストは、そのまま全件にアプローチするよりも、自社の商材に合う条件で絞り込んだほうが反応を得やすくなります。ここでは、最新の市場動向を確認したうえで、地域・業種・法人格・設立月数の4つの軸で絞り込みの考え方を紹介します。業種別・地域別の詳しい動向や狙い方は、それぞれの専門記事で解説しています。
2026年の新設法人市場の動向
2026年8月に全国で設立された株式会社は6,942社(前年同月比4.8%増)でした。東京都は2,213社(同12.6%増)と大きく伸び、宮城県は52.4%増と高い伸び率を示しています。[注7]
新設法人の数は、調査元によって集計の定義が異なる点に注意が必要です。たとえば2025年の年間新設法人数は、東京商工リサーチでは15万7,011社[注1]、帝国データバンクでは15万6,525社[注2]と、わずかに差があります。月次の速報値の中には、株式会社のみを集計したものと、合同会社などを含めて集計したものがあり、数字を比較する際は集計対象をそろえることが大切です。
業種別・地域別の詳しい動向は、新設法人の狙い目業種は?2025年の業種別動向と営業の狙い方で解説しています。
地域で絞り込む
新設法人は東京都など大都市圏に集中しており、2025年の増加数の約6割を東京都が占めました。地域で絞り込む際は、次の3点から判断します。
- 商圏:自社がサービスを提供できるエリアか
- 訪問の可否:対面での商談が必要な商材か
- オンライン営業の可否:オンラインで完結できるなら、エリアを広げて母数を確保できる
業種・法人格で絞り込む
Web上で情報を公開している新設法人は、IT・デジタル関連や専門サービス系が中心です。また、2025年の新設法人の約3割(28.6%)は合同会社で、株式会社のみに絞ると多くの潜在顧客を見逃すことになります。
業種ごとの動向と狙い方、合同会社が多い業種などは、新設法人の狙い目業種は?2025年の業種別動向と営業の狙い方をご覧ください。
設立月数によるタイミング理論
新設法人を効率よく開拓するには、「設立直後」という条件だけでなく、設立から何か月経過しているかにも注目する必要があります。企業の成長段階によってニーズが変わるため、適したアプローチのタイミングも異なるからです。
設立月数ごとのニーズや、成約につなげるための具体的なアプローチ方法は、新設法人へのアプローチはいつが最適?成約率を高める方法で解説しています。
【診断フロー】自社に合った絞り込み条件

新設法人リストを作成するときは、「地域」「業種」「設立時期」「法人格」など、自社の商品・サービスに合った条件で絞り込むことが重要です。
次の4つの質問に答えていくと、自社が優先すべき絞り込み条件を整理できます。
- 訪問が必要な商材ですか? → 「地域」で絞り込む
- 特定の業種向けの商材ですか?→ 「業種」で絞り込む
- 事業開始時に必須のサービスですか? → 「設立時期」で絞り込む
- 特定の法人格に限定する理由がありますか? → 「法人格」で絞り込む
それぞれの質問に「YES」「NO」で答えながら、自社に適した新設法人リストの絞り込み条件を確認してみましょう。
アプローチ手法の比較
新設法人リストを作ったら、次はどの手法でアプローチするかを決めます。DM、テレアポ、FAX、訪問、フォーム営業にはそれぞれ得意・不得意があり、新設法人との相性も異なります。ここでは、各手法を比較したうえで、新設法人ならではの「連絡先の掲載状況」から手法を選ぶ考え方と、複数の手法を組み合わせる方法を紹介します。
DM/テレアポ/FAX/訪問/フォーム営業の比較
| 手法 | コスト | 新設法人への到達性 | 特徴・注意点 |
|---|---|---|---|
| DM(郵送) | 中〜高(印刷・郵送費) | 高い(所在地があれば届く) | 手元に残りやすい。制作に時間がかかり、反応の計測が難しい |
| テレアポ | 中(人件費) | 低い(電話番号の掲載が少ない) | 直接会話できるが、受付突破や架電の工数が大きい |
| FAX | 低 | 低い(FAX番号の掲載が少ない) | 低コストだが、新設法人ではFAXを持たない企業が多い |
| 訪問 | 高(移動・人件費) | 中 | 関係を築きやすいが、1日に回れる件数が限られる |
| フォーム営業 | 低〜中 | 高い(フォームの設置率が安定) | 受付を通さず届く。文面の質と配信先の選定が成果を左右する |
参考までに、日本メーリングサービス協会の「DMメディア実態調査2025」では、本人宛DMの開封・閲読率は56%、閲読後に何らかの行動を起こした割合は15.2%でした。[注5]ただし、これは主に個人向けDMの調査結果で、BtoBの新規開拓でそのまま同じ数値が出るとは限りません。
連絡先掲載率から見た手法の選び方
FutureSearchの調査[注6]では、設立が新しい企業ほど電話番号・FAX番号の掲載率が低く、お問い合わせフォームやメールアドレスの掲載率は横ばいで推移していました。設立年別の掲載率の推移は次の図のとおりです。新設法人に対しては、電話やFAXだけに頼ると、そもそも連絡が取れない企業が多くなります。最も設置率が安定しているお問い合わせフォームを軸に、手法を選ぶのが効率的です。
複数の手法を組み合わせる
1つの手法だけで成果を出そうとするより、手法を組み合わせたほうが接触の機会を増やせます。たとえば、まずフォーム営業で広く接触し、資料のURLを開いた企業や返信があった企業に絞って電話やオンライン商談につなげる方法があります。重点的に狙いたい企業には、フォーム営業の後にDMを送り、手元に残る形で印象づけるのも効果的です。
新設法人に響く訴求の設計
アプローチ手法を決めても、伝える内容が相手の課題とずれていては反応は得られません。新設法人の経営者は、事業を軌道に乗せるまでの間、限られた時間とお金の中で優先順位をつけて判断しています。ここでは、経営者が抱えやすい悩みを3つの軸で整理し、訴求の作り方を紹介します。
| 悩みの軸 | 経営者の関心 | 響きやすい訴求 |
|---|---|---|
| 資金繰り | 手元の資金をできるだけ残したい | 初期費用の低さ、月額制、費用対効果、補助金の活用 |
| 売上 | 早く最初の顧客を獲得したい | 集客・営業の効率化、導入後すぐに成果が出る仕組み |
| 人材 | 少人数で業務を回したい、採用したい | 業務の自動化・省力化、採用支援 |
文面では、1通につき伝える悩みを1つに絞り、冒頭で「設立直後の企業が直面しやすい課題」に触れると、自社ごととして読んでもらいやすくなります。同じ業種や規模の導入事例を添えると、実績の少ない相手を選ぶことへの不安も和らげられます。
また、新設法人に限らず、代表者の交代や新拠点の開設などは、取引先や業務の進め方を見直すきっかけになります。こうした企業のニュースを日頃から追っておくと、アプローチのタイミングを逃しにくくなります。
コストシミュレーション
新設法人向けの営業を続けるには、手法ごとのコストと成果を比べ、費用対効果を把握しておくことが欠かせません。ここでは、1,000社にアプローチする場合を例に、手法ごとの費用の目安と、無料データで運用する場合と有料ツールで運用する場合の工数を比較します。数値は仮定に基づく目安のため、自社の単価や実績に置き換えて試算してください。
件数×単価×想定反応率の試算表
1件の反応を得るためのコストは、「総コスト÷(アプローチ件数×反応率)」で求められます。ここでは比較のために、どの手法も反応率を1%と仮定して計算しました。
| 手法 | 1件あたりの単価(仮定) | 1,000社の総コスト | 反応率1%の場合の1件あたり獲得コスト |
|---|---|---|---|
| DM(はがき) | 約115円(郵送料85円+印刷・宛名30円) | 約11万5,000円 | 約1万1,500円 |
| テレアポ | 約100円(時給2,000円・1時間20件架電) | 約10万円 | 約1万円 |
| フォーム営業(代行) | 約25〜40円 | 約2万5,000〜4万円 | 約2,500〜4,000円 |
実際には、手法によって反応率も到達できる企業数も異なります。たとえば新設法人は電話番号を掲載していない企業が多いため、テレアポでは1,000社のうち実際に架電できる企業がさらに少なくなります。自社の過去の実績から手法ごとの反応率を入れて試算すると、より現実に近い比較ができます。
無料運用と有料ツール運用の工数比較
費用だけでなく、リストを作るための工数も比較しておきましょう。月に500社の新設法人リストを作る場合の目安は次のとおりです。
無料データは費用がかからない代わりに、担当者の時間を使います。人件費を時給2,000円とすると、月30時間の作業は約6万円に相当します。ツールの月額費用と比べて、どちらが自社にとって効率的かを判断しましょう。
なお、新設法人へのアプローチでは法令への配慮も欠かせません。広告・宣伝のメールを送る場合は特定電子メール法の対象となり、送信者の名称や連絡先、配信停止の方法などを表示する必要があります。お問い合わせフォームに「営業目的の連絡はお断り」と記載がある企業には送らない、配信停止の依頼があった企業は除外リストで管理する、といった運用も徹底しましょう。代表者名などの個人情報を扱う場合は、個人情報保護法にも注意が必要です。判断に迷う場合は、専門家に確認してください。
FutureSearchで新設法人リストを作る
FutureSearch(フューチャーサーチ)は、現在活動しており、連絡手段を確認できる約110万社の企業データベースをもとに、営業リストの作成からフォーム営業、見込み顧客の管理までを一貫して行える営業支援ツールです。企業情報は日次で更新され、全データが3か月以内に更新されます。ここでは、新設法人向けの営業で特に役立つ3つの機能を紹介します。
ビジネスサーチ
『ビジネスサーチ』では、キーワード検索に加えて、エリア(市区町村まで)、業種、従業員数、資本金、法人種別、設立年月日、「新設法人」などの条件を組み合わせて企業を抽出できます。設立から3か月以内の新設法人だけを対象にしたり、「東京都×宿泊業×合同会社を含む」のように業種・エリア・法人格を掛け合わせたりすることも可能です。ダウンロードしたリストには、法人名や住所、電話番号、設立年月日、代表者名などが含まれ、名寄せやデータの正規化にも対応しています。

コンタクトアシスト
『コンタクトアシスト』は、ビジネスサーチで抽出した企業のお問い合わせフォームに営業文を配信する機能です。機械と人手を組み合わせたハイブリッド型の配信で、機械では送れないフォームにも対応しています。配信に成功した件数のみが消費される料金体系で、生成AIによる企業ごとの個別化メッセージや、トラッキングURLによる反応の計測、カスタマーサクセスによる文面の無料添削なども利用できます。
リリースタイムズ
『リリースタイムズ』は、登録した企業のリリース情報を毎朝メールでまとめて届けるサービスです。「経営情報」「人事情報」など特定のカテゴリに絞って受け取ることもできるため、代表者の交代や新拠点の開設など、アプローチのきっかけになるニュースを見逃さずに把握できます。
狙いたい条件の新設法人がどれだけ見つかるか、実際にビジネスサーチで検索して確かめられます。
導入事例:物流サービス業 G社
関東・関西圏で配送代行や倉庫業務を営むG社は、長年、既存顧客からの紹介に頼った営業を続けてきました。二代目社長への交代をきっかけに営業体制を見直し、物流業界の「2024年問題」による環境変化も見据えて、自ら新規顧客を開拓する体制づくりに乗り出しました。
当初は他社の営業支援ツールを2種類使っていましたが、「リストの対象が一巡してターゲットがなくなる」「掲載情報が古く連絡がつかない」といった課題に直面。データの鮮度と、リスト作成からアプローチまでを一元管理できる点を評価し、FutureSearchを導入しました。
導入から約8か月で、次のような成果を上げています。
- 営業リスト抽出数:累計約2万4,500件(月平均約3,500件)
- フォーム営業配信数:累計約9,600件(月平均約1,200件)
- ユニーク訪問率:7.2%
営業経験がない状態からのスタートでしたが、リスト作成からフォーム営業までを仕組み化し、継続的に新規の見込み顧客と接点を持てるようになりました。
新設法人リストに関するよくある質問(FAQ)
Q1. 法人リストを絞り込むとき、複数の条件がある場合は何を優先すべきですか?
A. 商材を提供するうえで「外せない条件」から優先します。訪問が必須ならまず地域、特定業種向けの商材ならまず業種で絞り込み、そのうえで設立月数を加えるのが基本です。条件を重ねすぎると件数が少なくなりすぎるため、まずは1〜2条件でリストを作り、反応を見ながら条件を調整しましょう。
Q2. リストを社内の複数部署で共有・二次利用してもよいですか?
A. データの入手元の利用規約によります。公的データは利用条件を確認したうえで、有料ツールは契約で定められた利用範囲の中で活用してください。また、代表者名など個人情報が含まれる場合は、個人情報保護法に沿って、利用目的の範囲内で扱う必要があります。
Q3. 無料データと有料データを組み合わせる場合、重複した法人はどう名寄せすればよいですか?
A. 法人番号をキーに照合するのが確実です。法人名や住所は表記ゆれが起きやすいため、法人番号が含まれるデータ同士であれば、法人番号で一致するものを同じ法人として扱います。法人番号がないデータは、法人名と所在地を組み合わせて照合し、最終的に法人番号を付与しておくと、その後の管理が楽になります。
Q4. 小規模な営業チームでも、新設法人向けの営業を無理なく運用できますか?
A. できます。リスト作成とアプローチの工程を自動化できるツールを使えば、少人数でも継続的に運用できます。たとえばフォーム営業を代行サービスに任せれば、担当者は反応があった企業への対応に集中できます。まずは狙う条件を絞り、少ない件数から始めて手応えを確かめるのがおすすめです。
Q5.「FutureSearch」のデータベースの更新頻度はどのくらいですか?
A. FutureSearchの企業情報は日次で更新され、約110万社の全データが3か月以内に更新されます。新設法人の追加や既存企業の移転なども反映されるため、常に新しい情報でリストを作成できます。
Q6. 新設法人リストの取得にかかる費用はどのくらいですか?
A. 国税庁の法人番号公表サイトやgBizINFOは無料で利用できます。登記情報提供サービスは1件あたり約330円です。有料ツールは月額制が一般的で、FutureSearchは初期費用無料、月額16,500円から利用できます。
Q7. 新設法人向けのリストは、既存の企業データベース全体のリストと分けて管理すべきですか?
A. データそのものは一元管理し、「設立年月日」や「新設法人」などのタグで区別する方法をおすすめします。別々に管理すると、同じ法人に重複してアプローチしたり、設立から時間がたった企業が新設法人のリストに残り続けたりする原因になります。法人番号をキーに一元管理し、設立月数に応じてセグメントを切り替えると効率的です。
まとめ:新設法人リストの作成・活用で新規開拓を効率化する
新設法人リストは、無料なら国税庁の法人番号公表サイトの差分データを使って作成できます。ただし、業種や連絡先の情報は含まれず、日次の取得や名寄せの手間もかかります。業種・エリア・設立月数で継続的に絞り込み、そのままアプローチまで進めたい場合は、企業データベース型のツールを活用するのが効率的です。
リストを作った後は、次の流れで活用しましょう。
- 絞り込む:地域・業種・法人格・設立月数から、自社の商材に合う条件を決める
- 手法を選ぶ:電話番号の掲載が少ない新設法人には、フォーム営業を軸に手法を組み合わせる
- 訴求を設計する:資金繰り・売上・人材のうち、相手の悩みに合わせて1つに絞って伝える
- 費用対効果を確認する:手法ごとのコストと工数を比べ、自社の実績で見直し続ける
FutureSearchなら、ビジネスサーチでの新設法人リストの作成から、コンタクトアシストでのフォーム営業、リードマネジメントでの見込み顧客の管理までを一貫して行えます。まずはトライアルで、狙いたい条件の新設法人がどれだけ見つかるかお試しください。
- ● 注1:東京商工リサーチ TSRデータインサイト「2025年の新設法人 最多の15万7,011社 宿泊業が続伸、建設や燃料小売は大幅減」
- ● 注2:帝国データバンク「2025年『新設法人』動向調査」
- ● 注3:国税庁 法人番号公表サイト「法人番号公表サイト利活用事例」
- ● 注4:経済産業省「Gビズインフォ」
- ● 注5:日本郵便「DM(ダイレクトメール)を使った販売促進」(日本メーリングサービス協会「DMメディア実態調査2025」の結果を掲載)
- ● 注6:株式会社FUTUREWOODS「【調査レポート】新興企業の36%が電話番号非公開 - 5,000社調査で判明した営業手法の転換点」(PR TIMES)
- ● 注7:FOUNDED-TODAY「全国の株式会社設立数・開業トレンド統計(2026年8月)」
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